小中学生にとって苦手になりやすい科目No.1と言えるのが算数(数学)です。
保護者の方にも算数や数学で苦労した経験を持つ人も少なくないのではないでしょうか?
そんな経験を踏まえ自分の子どもには理系科目が得意になって欲しいと考えている方もいらっしゃると思います。
では理系が得意な子に育てるためにはどうすればいいのか。
それを教えてくれるのが『理系が得意な子の育て方』という本です。
ざっくり紹介すると、
算数を得意にするためには躓くポイントを抑え、場合によっては少し前の単元から遡り、概念をちゃんと理解していこう。
という感じなのですが、この本は算数の学び方だけじゃなく、勉強そのもののやり方やポイントが具体的に書かれています。
私も日々、小中学学生に勉強を教えている身なので共感する部分が多くありぜひ紹介しておきたいと思ったので個人的なおすすめポイントを紹介していきます。
算数(数学)は繋がりを意識した勉強が大事

「数学は積み重ねの科目です。」こんな発言を聞いたことありませんか?
私は保護者の方に説明するときによくこの表現を使いますが、数学を理解する上でこの意識はとても大切です。
数学って一つ一つの単元が密接に繋がっている場合が多くて前の単元の理解が乏しいと次の単元の理解も難しくなるという性質を持っています。
例)正負の数⇒文字式⇒方程式
だから正しく理解していくためには前の単元から学び直しましょう。ということがしっかり書かれていました。
日々学習塾で生徒さん、保護者の方の意見を聞いているとこの繋がりが全く頭に入っていない場合が多いです。
効率の悪い復習ではなく、つながりを意識した復習が効果的だということをこの本を通じて学びましょう。
1章にある「残念な真実」は必読
私がこの本の中で一番共感した部分は1章に書かれている「残念な真実」の部分です。
この「残念な真実」では親としてよくやってしまいがちな行動や声かけが実は間違っている(子どものやる気を下げている)という事実が書かれています。
いくつか紹介すると、
- 勉強は一度に長時間やっても身につきにくい
- 復習はやり方によっては無意味
- 夜中まで勉強を頑張る子ほど成績は下がる
- やる気を出させるつもりで子どものやる気をくじく親は多い
他にもいくつかありますが、こういったよくやってしまう行動が逆効果になってしまっていることをデータを用いて説明してくれています。
この部分は塾講師として子どもたちを見ていて共感するところが本当に多く、ぜひ多くの保護者の方に読んでもらいたいと思いました。
ここの部分だけでも一読の価値はあるので気になる方は手にとって見てほしいと思います。
親の声かけの仕方で子どものモチベは大きく変わる

上の内容と少しかぶりますが、子どもの勉強のモチベーションは親の声かけによって大きく左右されます。
私たち保護者は子どもをやる気にさせる、頑張ってもらうため励ます意味で声かけをしますが、これが意外と逆効果だったりします。
じゃあどんな声かけがいいのか。これは子どもによっても変わるのでプロでも難しい。
でも特に注意してほしいのは
- 急かさない
- 比べない
- 否定しない
この3つでしょうかね。つい言ってしまう気持ちはわかりますよ。でもこれを言っていい方向に流れることはほぼないので極力言わないほうがいいです。
ついつい言ってしまってるなぁ〜と感じる方は『理系が得意な子の育て方』をぜひ参考にしてみてください。
理系に関係なく読んでほしい一冊
『理系が得意な子の育て方』
タイトルからすると理系教育を促すような本なのかと思いきや、勉強の仕方や子どもとの接し方、声掛けの仕方など親として知っておきたい内容が充実してました。
もちろん算数や数学、理科などの理系科目の攻略法も紹介されているので参考になりますが、個人的にはトータルの勉強のさせ方を学ぶことができる良本だと思います。
親として子どもの勉強にどう接するのがいいのか。
このようなことで迷っているなら一度読んでみてほしい一冊です。
